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高級スプーン似の部屋


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詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

時折
わからなくなるの

いま声を大にして
喘いでいるのは
わたしなのか
それとも
あなたなのか

喉から飛び出した手を
引っ込めた反動で
子宮を掴んで
引っこ抜かれるような
痛みが
キリキリと
キリキリキリキリと
続くのです

波は引かない
全世界へと発信した
見返りを求めぬ愛は
押し返されて
波が引いたと仮定して
あらわになった愛は
波打ち際
ワカメに包まって
瀕死の状態

それを拾ってくれたのが
実は彼なの
なんてウマイ話は
転がってなくってさあ

あなたを好きになった
けど
それについて
深く考えて
眠らないで考えて
一日中
あなたで
頭をいっぱいにしても
答は曖昧で
名探偵にはなれっこない

わかったのは
あなたが好きだってこと
それだけ

今のところはね

だから
この声は
ふたりのもの
なの

2010/05/12 (Wed)

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