詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
セミは七日で死ぬ
ハトは撃たれて死ぬ
ネコは家族を守って
イヌが遠くで吠えている
急に目が覚めて
思い込みだと気付かされる
羽ばたくコウモリは
月に焼かれて
闇の中へと真っ逆さま
明るい場所を探して
夜道を歩けば
靴の裏
へばりついているガ
全部まとめて
ひとつの意志なら
歯車ひとつ外れても
何ひとつ変わらない
終末に出勤する未来に
待ち受けているものは
昨日と同じ
退屈な日常か
膿を出すと
昇る太陽
おはようございます
新しい朝
人工物に見つけた脱け殻
素晴らしい世界が
終わりますように
願ったり敵わなかったり
擬かしい僕らの一日が
始まって
それでも黒いカラス
スズメが告げるのは
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