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高級スプーン似の部屋


[268] 湯*め
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

欲しかったのは
安寧でも
ぬるま湯でもなかった

夢は熱いうちに打て
ヒットしなくて
どんどん冷めてって
夢から覚めてって

ぬるま湯ですら
なくなって

夢冷めして
凍える心臓が
痛い痛いとすすり泣く
隣人にも聞こえない
程度の声で
延々と

でも消えない
残る
いままでやってきた事や
いままでやらなかった事が
全部
ぼくに残ってる
引き出しに閉まってある
絶対に
開けないが

鍵を忘れて
大事なことを忘れた
大事なことなんて
最初からなかったことを
忘れた
忘れよう

浸かろう
肩まで首まで
頭まで
冷えきったぬるま湯に
浸かろう
朝まで死ぬまで
来世まで

信じてないけど
次があるなら
また失敗

今しかないぞ
その今も
過去になった今現在の
ぼくはどうしようもなく

お尻の穴から火を吹いた

取り返しのつかない事態に
今だけ笑おう
まだ少しだけ浸かろう

これはまだ夢の続きだ
そうに違いない

だから

2010/11/16 (Tue)

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