詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
もう夕方か
斜面に落とされた長い影
自らを虐げるように
頬を引き裂いて
笑ってる
一切信用できないな
けれど
気が付けば
その削られた細腕に
むしゃぶり縋る
俺がいた
足を取られて
沈む陽は
手を伸ばしても
救えない
それと同じで
どんなに
もがき苦しんでも
心のうちは
一向に伝わらないもので
笑う角を曲がれば
目を背けていた山が見える
運悪く
しわ寄せ喰らった
死に体の山が
ひどく冷たい
投げやりな笑みは
最初から
俺をアテにしておらず
それどころか
一方的に
舐め睨めしていただけで
あっかんべえ
流れ出たボロは
やっぱり
役には立たなかった
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