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高級スプーン似の部屋


[376] 弱冷房の箱
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

水面に映える銀河を走る
ゆらめく月
伸びたレール
驚き少ない箱は進む

交差する際
窓越しに見えた
窓の先
渦巻く性までくっきりと
この目に映る

急に恐ろしくなった

まるで
手をつける前に
完成していたパズルに
気付いた時のような

絵空事は
最初からなかった

奇跡と呼ぶのを嫌い
ただ黙って闇の中
泥のように微睡みながら
行く

朝靄 開けて
広がる先にも
決して外れぬ未来が
法則正しく
敷かれているよ

次の目的地
次の目的地へと
終焉まで

それでも
あらゆる感情を抱え
関係を持ちながらも前へ

がたんごとんと動く箱
ゆらり運ばれ止まる人
ようやく辿り着いた今

扉が開いて進むのは

2012/01/16 (Mon)

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