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高級スプーン似の部屋


[379] 明日の天気は首吊り少女
詩人:高級スプーン似 [投票][得票][編集]

髪にかける手は
とても白く
現れた細い首は
ひ弱な僕でも
力を込めれば
命を断てそうなくらい

気持ち悪い容姿の彼に
片思いされた彼女は
そっと毒を吐き
微かに声を震わせて言う

一緒に帰ろうよ

頷けば
きみは笑うだろう
ありがとうと
なのにどうして
嫌だとか
ぼくは笑ったんだろう

あと少し
もう少しで
夢を掴む
首を絞める
チャンスだって
あったかも
しれないのになのに

髪にかける手は
とても白く
現れた細い首は
ひ弱な僕でも
力を込めれば
命を断てそうなくらい

二人の距離が
離れていくほど
彼女の安全は確かなものに
だったらいいけど
夜は危うい

次の日も
きみが笑う
絶対はないのに

2012/01/30 (Mon)

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