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高級スプーン似の部屋


[444] 火の鳥
詩人:高級スプーン似 [投票][得票][編集]

進化の最先端
人が人をやめた時
言葉は言葉としての
機能を失って
あらゆる物語は死んだ

それでも
人外は歩みを止めず
光の速さを軽々越えて
前神未到の果てを行く

まだ
人類が幼かった頃
地球に寝転がり
思い思いに
読み耽った物語
歩みを止めて
空想した内容が
いま現実となって
皮肉にも
息の根を止めたのだ

限りある世界を進み
好奇心旺盛な我らは
人間をやめて
ひとつの物語を終えても
完結には至らなかった

やがて
人外も人外としての
機能を失って
滅亡した時

読んで字の如く
独り歩きする言葉たち

次は
どこへ行こうかと
物語は再び
生きるあなたを想わせる

2012/09/12 (Wed)

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