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高級スプーン似の部屋


[447] むしのいき
詩人:高級スプーン似 [投票][得票][編集]

目的がなくても
握る手はあたたかい

喧騒の中
たったひとつの
言葉も必要なくて

隣で寝息を立てる
あなたのすべてが
愛おしい

密閉された夜
星々は帳の外
伸ばした手は溺れ
このまま
沈んでいくことに
望みすら覚えた時

無抵抗のむしに
一縷のぬくもりが

気付けば
理由もなく
その手を握り返していた


あたたかい

2012/10/28 (Sun)

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