目的がなくても握る手はあたたかい喧騒の中たったひとつの言葉も必要なくて隣で寝息を立てるあなたのすべてが愛おしい密閉された夜星々は帳の外伸ばした手は溺れこのまま沈んでいくことに望みすら覚えた時無抵抗のむしに一縷のぬくもりが気付けば理由もなくその手を握り返していたあたたかい
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