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高級スプーン似の部屋


[453] 放射能]'mas 2012
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

つんざく寒さにやられ
引きちぎりたい赤い耳
世界の終わる前夜
白い雪が町に降り
けれども
積もることはなく
地球に沈んでいく

来ない明日がやって来た
わかってはいたけれど
未来に続く始まりの朝
期待外れの結果は
起こす身体に
重くのし掛かってくる

予告編を見て
面白いだろうと踏んで
観た映画
騙されたのは
これで何度目か

心の片隅で願い
自分勝手に裏切られる
色気づく街中
静かに歩いて
歩いて歩いて

どこからか
伸びてきた手に捕まって
赤い耳ごと地球から
引きちぎられたい衝動は
雪のように沈んでいく

いくら汚染されても
日常にはあまり響かずに
仰いだ空は遠いまま

僕はまだ終わらない

2012/12/26 (Wed)

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