詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
社会に対して23.4度
斜に構える
変なところで
生真面目な彼は
物心つく前から
ピーターパンが
見えなくなるまで
傾いた姿勢を貫いたせいか
今に至っても
心の歪みが取れなくて
キャッチーな嘘を片手に
タクシーには乗らず
夜な夜な
あてもなく
闇の中を徘徊し
空いた手には
金属バットを持ち
振り回したり
ガラガラと
音を立てて
存在証明でもするかのように
歩いた先に
たまたま
母校があったので
裏門から
校庭に侵入り
お前らのせいだと
声を殺して
哭き叫んだあと
何事もなかったみたいな顔で
家路につき
シャワーを浴びて
いくら
水に流しても
汚れは落ちないと呟き
仕方がないので
眠ろうとしたら
中々
寝つけずに
結局
何も出来なかった
今日一日を
振り切ろうとしているうちに
夢の中
それは
寝覚めの良いものではなかったが
それでも
朝はやってくるし
起き抜けから
頭が割れるように痛むのもあって
私を形作る
細胞という細胞を
解散させたくなっても
おかしくはない
おかしくはないよ
「真夜中、ナイフと少年と金属バット又は中学2年生のたわ言」より
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