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高級スプーン似の部屋


[509] この物語は
詩人:高級スプーン似 [投票][編集]

実在の人物や団体とは
一切関係ないらしい
それらのおはなしは
ここではないどこかに
僕等を連れて行ってくれる

日曜夜六時半の物語が
別に嫌いじゃない君は
夜な夜な街を徘徊し
殺人鬼やサイコパス
極悪非道の
人でなしが引き起こした
残虐な事件を思い返す

無軌道に揺れるいのちが
まだこの世に
べったりとはりついて
離れていかないのは
真っ赤なウソにこそ
引力
救いがあるからだ

辛苦に染まる現状を前に
頭を抱えるように
震わせる拳
開いてみれば
一握の砂さえもない
誰彼とも無関係な
責任逃れの夢物語
すがりつくほかないのだろう

それなら書くしかないな

たとえ虚構と呼ばれても
君という名の赤の他人とは
縁もゆかりもない話を
身もふたもない真実を
ここに


この物語はフィクションです

2014/06/08 (Sun)

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