詩人:高級スプーン似 | [投票][編集] |
夢がないと言って
部屋の隅に隠れる少女に
差し伸べる手は
何色か?
完成形を目指して
未完成であり続ける幸福
噛みしめている
とっくに味はない
そこで満足すれば
嗚咽が止まらなくなりそうで
いやだな
空っぽの胸
吐き出すものなど
ありゃしない
それこそ泡沫の
いいや
何でもない
大人びた少女が成熟し
真の大人になった時
味のない夢を
くちゃくちゃ言わす
おじさんを見て毒突く
「アンタ、それでも大人かよ」
想像するだけで怖くなり
部屋の隅に必死こいて隠れてる
震える尻だけが見えていて
とても滑稽
笑えはしないが
[前頁] [高級スプーン似の部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -