詩人:高級スプーン似 | [投票][得票][編集] |
隣の人を
見殺しにして
地球の裏側で
困っている人を
助けたいと願う
救(報)われない力で
人生を振るう
他の生き物だったら
とっくに死んでいた
なのに
生きている
彼女よりも
彼よりも
私は私が
いつか死ぬこと
知っている
学べるだけの
幸せがあった
誰かを助ける
ワケでもないのに
自分の命を削ってる
それでもいいって
開き直る
諦める
ダメになる
誰も助けていないのに
救いを求めて
どうするんだと
訊いているのは
こっちの方だぞ?
心のない人間は
何を込めて
ありがとう
ごめんなさいを
撃つんだろう?
挨拶を交わしきれず
喰らった一撃で
偽善しさは崩れて
無表情になる
冷たくて酷い奴
知らない人にしか
見せない本性を
偶然見つけて
愛してくれないか?
ほらね
頭ン中
自分でいっぱい×2
地球の裏側で
困っている人はもう
どこにもいない
利己チューな私は
彼女よりも
彼よりも
長生きしているという
俗悪処世術
物心
「もう持ってる」って
嘘をついた
あの日から
空っぽの掌
隠して生きてきた
バレはしないかと
おっかなびっくり
歩む人生だから
どんな悩みも
軽率なものでしかなく
どこまでも
どこまでも
隣の人から離れていく
[前頁] [高級スプーン似の部屋] [次頁]
- 詩人の部屋 -