詩人:†楓風† | [投票][得票][編集] |
ちょっと前
ゲームセンターの中に君はいた
UFOキャッチャーは正直苦手。
僕は景品にされた君に一目惚れ
君を取るのに必死でいつしか僕の財布はすっからかん
最後の一枚でやっと君を捕まえた
僕は君を狭い部屋の中のさらに狭い透明の箱に入れた
君はそんな僕にも愛嬌をたっぷり振る舞ってくれた
僕はそんな君が日々の癒しになっていた
さっきふと目をやると君は水面に仰向けになっていた
君は死んだ
君は何で生まれたのかも分からないであろう生涯を狭い狭い入れ物で過ごした
僕を恨むかい?
僕が君だったら恨むよ
『なんで広いところで泳がしてくれないんだ』って
許してくれとは言わないよ
でも少しだけど共有した日々は僕の宝物だ
新しい魚を僕は買わない
君の代わりなどいないから