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浮浪霊の部屋


[2] リストバンドに隠された美しいもの
詩人:浮浪霊 [投票][得票][編集]


綺麗な、傷だね。私にも手首の切り方を、教えてくれない?

言い終るか終らないかのうちに、酷く好い音がして、左頬に痛みが走った。

彼女は私を張ってなお、濁った怒りの眼差しでしばらく私を睨みつけ、帰る、と一言呟くと、黄昏る教室を後にした。

ぼんやりと取り残される私。後ろ手に隠したチョコレート。

こうして私の十七歳のバレンタインは終った。

2010/03/03 (Wed)

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