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浮浪霊の部屋


[42] 詩徒詠唱録 辮之章(アムノウタ)
詩人:浮浪霊 [投票][編集]

 
 
『人の可視性に関する知見の件(クダリ)』



情報化した世界の変質を遂げた共同体では、
発信しないものは存在していられない。

智民(ネチズン)は限りなく不可視に近く、
誰にも気付かれず、誰にも気付かず、
その多くは霊のように其処此処を徒(ただ)浮浪するばかり。

辮(アム)の街は無人で、人は究極的に独りで、
他者の痕跡ばかり辿り本人とは必ず入れ違う。

存在は嘗て無く意図的で、
インターネットでの沈黙とは、即ち消滅であり、
社会的消滅とは即ち恐怖である。

智民よ恐れよ、書き綴れ。
 

2010/05/04 (Tue)

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