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浮浪霊の部屋


[46] 喰病み 『似非遺伝学的詩作』
詩人:浮浪霊 [投票][得票][編集]

  
自殺という、生物的に限り無く反生産的な行為を進化論的解釈に則って考えた時、何故その行為が生存競争の内に淘汰されてしまわなかったのかという疑問が生じないか。

自殺志向を持つ個体が時と共に死滅しなかったのはどうしてなのだろう。

それは恐らく、自殺がなんらかの形で遺伝子の継承に貢献しているからではないだろうか。
生殖能力を持たない働き蟻の存在や細胞レベルでの自死といった現象から明らかになるように、遺伝子の目的とは伝子形態の存続であり、決して個体生殖可能性の最大化では無い。
特定の個体の生存が種に対して著しい損害を齎し、種としての遺伝子の全体的な存続が好ましくない影響を被る時、遺伝子はその個体を削る。個体に搭載された遺伝子を犠牲にして。
自殺願望とは、各個体が生存に値するかを判断するために搭載された自己診断機能なのかもしれない。
存続非貢献者を自死させることで社会的な負担を減らし、他の生存可能性が高まるのだ。


個は全のために。
さて、以上から得られる知見とは何か


解るかな?



つまりね、僕らが普段死にたい死にたいって思うのは、実はご先祖様が『お前みたいな役立たずがいつまでも生きてると皆が迷惑するんだから早く死ねよ』ってアドバイスしてくれてるんだよ。
 

2010/05/09 (Sun)

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