詩人:浦覇 | [投票][編集] |
寂しがり屋の私は今日も
いえなかった。
言えなかった。
自分の身体引き裂いても
声が、言葉が
出てこないのです。
まだ行かないで独りにしないで寂しいの眠れないよ怖いの暗闇が静寂が孤独が夜が。
脳裏に焼き付く貴方の笑顔を言葉を声を香りを肌を息遣いを熱を忘れたくないよ思い出させてよ消えないで消えないで消さないで。
腕を飾る赤い線今日も
いえなかった。
癒えなかった。
私の言葉、重過ぎて
きっと、君は
受け止められないね。
いつも通りさよなら告げる
貴方の口はきっと
寂しさを知らないのね。
だから
私は今日も
いえなかった。
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今まで必死に生き抜いて
やっと根を張り
もう一息で
この淡く柔らかい
花弁いっぱいに
夏の風を受けようと
夢見ていたのに
公園に咲いた私は
無垢で残酷な子供達によって
呆気なく
踏みにじられ
手折られていく
『そういう運命だったのだ』と
自分に言い訳して
ゆっくり
息を止めた。
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知識こそ財産。
知識は人から貰う事も、あげる事も出来る。
さらに貰ったりあげたりする過程で減る事が先ず無い。
奪われて無くなることも無い。
遺産相続の問題だって無い。
知識と言う財産は使う事が出来る、なのに減る事がない。
なんて素晴らしい財産だろうか!
詩人:浦覇 | [投票][編集] |
信用してるわ。
貴方に興味があるの、
貴方の事を教えて。
貴方の本音が聞きたいのよ。
貴方は私と居る時間を有意義だと感じるのかしら。
「君はいつも難しい聞き方をするね。何故素直に僕の事を好きだって言わないのか。」
何故かしら、
私はいつも遠回り。
素直に言えばそれで済むのに…
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いつもは「帰りたくないよ」と言って僕を困らせるのに、
君を帰したくない日に限って
「今日は、帰りたくないなんて言う意地悪はしないわ。」といってあっさり帰っていく君。
「意地悪してよ。」と言う僕をヒラリとかわしてクスクス笑いだした。
「今、貴方に意地悪してるじゃない。」
嗚呼いつも
君は僕より一枚上手。
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仕事が辛くても
皆 口に出して
『辛い』
なんて言わないから
自分一人だけが
辛いのだと
勘違いしてしまう
誰かに打ち明ける度
不幸自慢する自分に
嫌気がさし
だれかに甘える度
自分の弱さに嘲笑し
『大丈夫?』
と訪ねる君の一言だけで
涙が溢れた
いつから
こんなふうになったのだろうか
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車の助手席
君の白い指に映える
赤いマニキュア
癖の様に自らの指を食み
陶酔の目で空を見詰める君は
あまりに幼く
それでいて官能的だから
君を見てしまわぬよう
視線を必死に逸らす自分の姿が
余りに滑稽。
君を気兼ねする僕とは裏腹に
まるで上の空な君
僕の視線に気づいて欲しいような…
欲しくないような…
そんな葛藤で
赤信号の度に
調子外れの鼻歌を歌いながら
車のハンドルを打楽器に見立て
コツン コツンと鳴らすけど
それを知ってか知らずか
悪戯そうな顔で
微笑む君は
また僕を混乱させる。
嗚呼、
こんなドライブ
早く終わってしまえばいい。
詩人:浦覇 | [投票][編集] |
一生懸命に紡いだ言葉でも
シャボン玉ように
簡単に弾けて消えていくから
君の心まで
届かないんだね
伝えたい言葉は
いつも曖昧にしてたから
素直な気持ちの伝えかたも
いつの間にか忘れてしまって
大切なときに
言葉が出てこないよ
大きなシャボン玉に
私の思いを閉じ込めて
君のところまで届けと願うけど
あまりに風が
強いから…
『かぜ かぜ 吹くな』
と歌い続ける