詩人:浦覇 | [投票][編集] |
噎せぶほどの
欲の香と
痛みに喘ぐ
貴方の声で
私は至福を得られるの
ねぇ、
従順な貴方が好きよ
『君が一番可愛い』と
馬鹿な私を
あやしてよ
『君の総てを受け入れよう』と
バレない嘘を紡いでよ
賢い貴方なら出来るでしょ
あの日の様に
ねぇ、早く
私の足に口付けて
狂 気 の 沙 汰 だ と
皆 は 言 う け ど
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こんなに寂しい夜なのに
月でさえも
私を独りにするのね
眠れぬ夜を
独りで過ごす私
眠れぬ夜を
誰かと過ごす貴方
嗚呼
お月様
窓から見える空気は
闇ばかりで
ただ
街灯だけが
静かに瞬いた
貴方は
私の知らない誰かに
愛を歌うのに
私は
貴方の知り得ない悲しみを
朝まで歌い続けるのよ
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口から溢れ出る言葉は
水に浮かぶ泡のように
吐き出されては
すぐに消えてしまうのに
どうして私の心に
深く
濃く…
残るのだろう
忘れてしまいたい言葉ほど
足にまとわり付き
頭の中を駆け廻る
まるで
『本当は忘れたくない』と
どこかで感じているかのように
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訳がわからない
自分に苛立つ
あぁ…、
早く
床に散乱した
コップを片付けなきゃ
ぐじゃぐじゃにした部屋をもとに戻さなきゃ
投げ捨てた携帯
探さなきゃ
泣き腫らした目を
冷やさなきゃ
それから止血
早く
早く早く早く早く
元通りに…
何もなかったかの様に
何故
私はバカで
最低な子なの
でも
バカで良かった
今日の事
明日にはきっと
忘れてるわ
だから
音がするから
早く片付けなきゃ
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静かな朝
時計が音を立てながら
時間を刻んでいる事に気がついた
白昼
古い倉庫の隙間から覗いた世界が広く明るいと気づいた
夕方
通り雨は子供たちを
家路へと急かしているのに気がついた
深夜
月があんなに高いのに
この街のさみしがり屋は今日も眠れぬ夜を過ごすのだろう
そんな事を考えながら
僕はゆっくり目を閉じた
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インターホンに呼ばれた
昼下がり
玄関開けたら
聖書もった女の人
『今回の地震は大変でしたが私たちにとっては良いことなの…』
『そして洪水が悪い人たちを裁いて私たち信者だけが救われる』
『楽園が完成する』
と…
ああ
こいつらが
『不謹慎』
っていわれる奴らか…
アンチキリストってわけじゃない
あんたが言う神が
異教徒を
かたっぱしから殺す奴なら
私は神を
殺人鬼と呼ぼう
あんたの家族が
大変な目に遇っても
あんたは言うのか?
『悪い人たちだったから』と
信仰で救われた話を
疑ってる訳じゃないよ
もう少し
考えて欲しい事が
あったんだ
嗚呼、きっと
君たちの神は
昼過ぎにインターホンを
鳴らせと君に命じたんだね
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行き場の無い
怒りや苛立ちや恐怖
吐き出す術も
知らぬ此の体は
ひたすら其れを
鼻から吸い込み
肺へと溜め込む
いつしか其れは
肺を満たし
私の呼吸さえ
蝕み始めるだろう
だから
『さよなら』
と、自分に向かって
手を振った
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僕の詩は
まだまだ未熟で
拙いけども
伝えたいんだ
君に
限られた言の葉
精一杯紡いでいくから
君と出逢えた
この場所と
君と繋がる
この世界
そして
君に…
かっこいい台詞なんて
思い付かないから
素朴で
素直な気持ち
五文字に込めた
僕の想い
『ありがとう』
君に
伝われば良いな