詩人:rei | [投票][編集] |
あの子は消えたのに
私は残った
同じ道を歩いていて
別れた道を歩んだ後に
さっきまで
あんなに楽しそうに
話していたあの子は
足を怪我した仔猫を
抱いてやろうとした時
トラックが通って
あの子も仔猫も
下敷きにしたんだ
始めは「嘘」だと思って
信じられなかった
だっていつものように「バイバイ」って
手を振って別れたんだよ
それがなんで?
私よりも優しくて
私よりも頭が良くて
私よりも強くて
私よりも前向きで
私よりも快活な
あの子は消えて
私は残ったの?
神様にも間違いはあるの?
始めは泣けなった
でもお通夜であの子の
青白い顔を見た時に
初めて泣けてきた
もうあの子はいないんだって
初めて実感した
生きる願いを持ったあの子は消えて
死にたい思いを持った私は残った
いつもあの道通る度に
あの日の事を思い出すんだ