君の世界が黒く滲むたび

僕は自分の無力さを知る

君の望む世界に向けて

君の嫌いな世界から放つ

君の声は

子守歌

夢に魅せられる

子守歌

その風は

僕を奮わせる

君に向かわせる

今日も貴女を想う僕には

同じ世界じゃ足りなくて

同じ青空じゃ足りなくて

隣り同士でも足りなくて

「いつか、夢を見せてやる」

誰のタメ？

何のタメ？

覚えているよ。

分かっているよ。

「それが、貴方の夢ならば」

灯る火は明かり

揺らめいて

歪む暗闇

錆び付いて

「独りぼっちだ」と君は呟いて、

「そうだね」と僕は頷く。

あの頃から変わらない君が、

記憶の海を漂う。

あの頃とはもう違う僕が、

忘却の道を辿る。

悲しくないよ。
哀しくないよ。

その声も、
聞こえない。

彼方は、
此所に。

貴方は、
何処に。