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メルキオールの部屋


[1] 木曜日
詩人:メルキオール [投票][編集]


意味のないことばかりを考えて、
ひたすら妄想に沈む木曜日。


ここ最近つけたままの換気扇が、
真っ暗な部屋の中で唸っている。

カーテンを少しだけ開けて外の世界を覗き見れば、
急に不安になって眠ったふりをしてみた。

窓の外には壁があるだけだと知っていたのに、
そこには何もないとわかっていたのに。

昨日僕は、
誰にも届かないのに、
精一杯の嘘をついた。
僕の中で消化されるのに、
精一杯の嘘をついたっけ。

虚ろなまま見た笑顔の意味を探している。
何故かひどい気分でしゃがみこむ。

築き上げた世界で強いふりをする僕の悔しさは、どの空に還したのだろう。

無意識のままで離したから、誰かに寄り添ってしまわないか心配している。

まばたきの瞬間、
誰にもわからないのに、
心を奥に隠そうとする。
僕にさえわからないのに、
心を奥に隠そうとするんだ。

それが自己満足だと気付いていたのに、
意味のないものへ変わってゆくと知っていたのに。

一瞬の間に永遠の秘密を何度も飲み込んで、
色んなことを諦めてしまう悪い癖は、
中2の頃から一つも変わらないままだから、
やっぱり僕は少しバカなんだと思う。

相変わらず情けない僕の将来が見て取れて、
何だか悲しくなってみたり虚しくなってみたりするわけだけど、
一番の問題は、
自分自身を変えようという意志自体がまるでなくて、堕落してゆく僕を斜め上から見下すように眺めているだけの僕が、
それでも構わないと甘えてしまっていることなんだとか、
そうじゃないとかって、噂できいた。

嘘だけど。

そんなこと考えてるうちに、
日は暮れて夜がくる。

涙なんて悲しいときにはでないから、
目が乾いて仕方がない。

頭痛と共に眠りに落ちていく僕は、
明日を見ないために今日を破り捨てた。

そんな、木曜日。

2009/05/07 (Thu)

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