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メルキオールの部屋


[4] 愛されたのは僕ではなく
詩人:メルキオール [投票][得票][編集]


このままで、

曖昧なままでいようよ

キスはしないで

愛しているから偽って
失いたくないから誤魔化した


好きだなんて、

愛してるなんて

言わないで


信じてほしいから紳士のまま
傍にいたいから理解者を演じた


手は繋がないでおこう

僕らはきっと
恋人同士にはなれないから

君が見つめるその男は
僕によく似た赤の他人

偽り者の道化師に
真実の愛は勿体ない


愛しているなんて
言わないでくれよ

頼むから


理想を演じた男が一人
滑稽な結末を見せた

午前2時、
月などなく。

彼女の幸せを想いながら
今日も自分の過去を踏む

記憶の片隅に
消えない火が点いたなら

後はこのまま
孤独に燃え尽きるだけ


2009/05/14 (Thu)

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