詩人:メルキオール | [投票][得票][編集] |
悲しみなどではなく、
空しさ故に
無闇に他人を傷つけた
真っ青な手の平
あなたにだけは
綺麗でいて欲しくて
穢れの落ちぬ心で
触れることを躊躇いました
なのに
いつの頃から私、
あなたを諦めたのでしょう
それはいつもの、
悪い癖。
手の内を見せることで
許しを求めていた
無様な手口。
わかっているのに
目に映る暗い世界
終わりしかない
暗い世界
私の世界観、思考が
人に嫌悪感を抱かせる事
知ってしまったのは
15の頃で
それからは極力何も、
何も語らず
心鬱いで空ろに
生きてきたわけですが
なかなかどうして
うまくいかない
どこか、緩んでしまう
せめて今度だけはと
言葉を飲んでみても
心がゆらゆら揺らぎます
何も語らないわりに
急に表情を崩す私に
あなたは、
戸惑いを覚える、当然。
だけどもう
否、だからもう
私は
あなたを諦めてしまった
何故かと聞かれても
わからないと答えます。
悲しい
悲しい涙は、
どうにも出ないのです
悪い癖です、
ごめんなさい
あなたに
何の期待もしていません
ただ肌の表面を
さらりと撫でるだけ。
それが全てだと知り、
あなたを諦めてしまった
只それだけの事なのです。