詩人:鈴砂 | [投票][編集] |
例えば街で独りお茶会をしている時
偶然にも君を見つけたとしたら
もしもその時
君がすっかり変わり果てていたら
君は僕に気付かず
もしくは何を語ることも無く
或いは完全に無視を決め込み
僕は硝子の向こうを悲しく眺め
街の真ん中で泣くだろう
もしもその時
君が全く変わらず
懐かしいあの時のままであったとしたら
君は僕に少し哀しげな視線を向け
僕が永く待ち焦がれていた
あの日のような優しい声を
少しだけ聞かせてくれることだろう
だが君は気付く
僕の眼には何も映ってはいないと
何故なら
僕はその時にはもう
すっかり変わり果てているだろうから
もしもそんな日が来てしまうのなら
或いは
終わりだけ忘れて
同じ一年だけ
ずっと繰り返して