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鈴砂の部屋


[18] 愛猫
詩人:鈴砂 [投票][編集]

今日も俺の脚は
自然と廃棄場へ向かう

ここには残飯と
残飯を喰らう輩が群がる
俺の同類達だ
ここは俺達の餌場なのだ

月の時間も太陽の時間も
同類達が絶えることは無い
何故なら俺達には
ここより他に
しばらく縋る場所は無い

残骸の山には
いつも誰かの思い出が溢れてる
膿んだ餌に頭がいかれ
狂い死ぬ同類
意味を為さない声で喚く者
己の肉を裂いた者もいる
それでも俺達は生きんが為
喰わざるを得ない
俺もいつものように貧った

今日の過去は主だった
俺以外の誰かも一緒だ
一番新しい腐敗臭
俺は何も考えないようにして
残飯に顔を埋める

ここは残飯の様な思い出が積もる
俺達が縛られている廃棄場
俺の分を全て消化するまでは
ここが俺の居場所だ

そうしてひとしきり味わった後
俺はまた路地裏に帰る
俺の眼の形をした月が
やけに眩しく映えていた

2005/05/22 (Sun)

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