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夜深の部屋


[50] ひとりよがり
詩人:夜深 [投票][編集]


みんなは
もちろん私も

自分が良ければそれで良し、
って思っていることが多いみたい…

私は
たまに一人になる

でもお空が綺麗だからそれで良し
雲が流れてそれで良し
青青な空でそれで良し

けどだんだん不安になってきて
泣き出した灰色雲くん
雨粒が皮膚に張り付いて
心の奥底まで浸透してくると

痛くなってくる
突然 真っ白な紙で指を切ったみたいに
指きりしたあとで堂々と裏切られたみたいに
ちくちく痛くなってくる

自分さえ 自分さえ
良ければそれで良し それが良し それが最良、だと
みんなは思う されど

私はふと思う
誰にも会えずに 誰にも会わずに 君にさえ会えずに
いたら もう私は
狂ったみたいに叫んでしまうよ きっと

ずっとずっと孤独のおもちゃ箱に閉じ込められた
人々の心は実は
たった一人で 孤独の中で
たった一人で息をするのは
悲しくて悲しくて 苦しくて悔しいことだってことを
知っている

自分が 自分が
自分さえ良ければ ってモンじゃないよこの世界
そんなに甘くできてるなら もうこの世界は
明日にでも滅びてしまうよ

それでもいいの 君は?

私は嫌だなぁ そんなの
だって
まだ 新しい時代を切り開けてないじゃん私たち
だって
まだ 愛し通せる人に想いを告げてないじゃん私たち
だって
まだ 飽きずに永遠に聴ける音楽を手に入れてないよ
だって 
まだ 朝が来てないよ まだ 夜明けだよ

自分が 自分が 
自分さえ良ければの定理は
たった今 せきとめられない涙に流されていったよ

自分が 自分が
自分さえ良ければ委員会は
たった今 燃え盛る怒りの炎に飲み込まれていったよ

自分が 自分が
自分さえ良ければ良いと思えるのは
まわりの人がいるからこそ

結局はみんな
みんながいるから一人が満足できる
一人がいるからみんなが満足できる、らしい

みんなは一人のために
一人はみんなのために
傷ついて 重荷を背負って
愛されて 愛して
理解して 理解されていくのかな

2011/11/03 (Thu)

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