詩人:哀華 | [投票][編集] |
泣いたって
届かないのなら
いっそ形など
作らなければ
よかったよ
チラつく一枚の絵
そこに描かれていたのは
昨日見た真っ黒の夢
繋がった
遺伝子の様な羅列に
首を傾げ
立ち尽くし
込み上げて来た物は
耐え難い
寂しい。だった
いつもあきらめ
そこに何もないの?
独りでに
歩きだした足は
血まみれで
目も当てられぬほど
傷んでいて
休みたくて
眠りたくて
永遠に
笑いたくて
叫びたくて
少しでも
たまらなくて
泣き出していた
もういいんだ
どうなったって
もういいんだ
私なんて
詩人:哀華 | [投票][編集] |
肺から出た物が
宙を浮遊して
口を塞いでいた
私は責め立てて
無意識の中
もっと奥へと
なじっていた
この先
始まるものが
在り来たりすぎて
嗚咽を覚える
頭にきて
蹴り倒したドア
床のない部屋
その下は
落ちても
落ちても
たどり着けぬ空虚
どこをどう歩いて
どこをどう直せば
凛と強く立ち続け
られるのだろう
死にたいくらいに
憧れた普通の毎日
これがそうなのか
だとしたら
やはり私に
居場所はないよ
詩人:哀華 | [投票][編集] |
早く塞ぐんだ
心の隙間を
今考えうる
出来るだけ
確かな方法で
それは
苦痛を伴い
叫び出さずには
居られない
耐えられぬほど悲しい
そんなやり方
埋め込むのは
ひし形のチップ
単純さ
そこに電気を
流すだけの話で
私は時間だけ
リアルな感覚の中
一度で消えられない事情
ああ
どんなに
苦しくたっていい
それが一瞬ならば
ああ
どんなに
悲しくたっていい
それが一瞬ならば
埋め込むのは
額の真ん中
私は一筋の赤い線を
流し見て
素早く綺麗に
飛び込むんだ
全て忘れて
しまえるように
詩人:哀華 | [投票][編集] |
子守歌
黒兎の耳元で
安らかな場所
誘うは桜へ縄梯子
言っただろう
私の信じた彼もまた
他人と同じだと
消えてしまえ
消えてしまえ
この体が苦痛の種だ
壊してしまえ
壊してしまえ
もう夢は見ないのさ
裏切り
兎穴の
真っ黒の奥
無関心
兎月の
寂しいの形
居なくなったら
居なくなる
死んだら
死んでやる
一生背負って
私を忘れないで
子守歌
黒兎の耳元で
そよ風、夜色
あの人が
居なくなった夜
詩人:哀華 | [投票][編集] |
嘘をつくこと
今あるべき
一番望まれる行為
悲しみを
入れておく器は
私の両手だけじゃ
すぐに足りなくなって
此処に置いてきぼり
生きていても
死んでいても
結局は同じ。
そんな事以前に
私はすでに
死んでいるから
彼らとは
何かが違うし
私だけ
何かが足りない
そんな汚れ装って
好かれるように
好かれるように
私はすでに
死んでいるから
死んでいるから
詩人:哀華 | [投票][編集] |
宛もなく
かざす手には
やり切れない空
体無くし
思うのは
去り逝く事への
嫌悪だけ
消えるのなら
近づかない方が
自身の為で
散り逝く花びら
言葉と同じ
儚すぎて
切なすぎて
上手に泣くことさえ
できないんだ
散り逝く花びら
涙と同じ
その色も
その光も
どう足掻いたとて
滲んでしまうから
どう足掻いたとて
最後は
消えて
しまうのだから
詩人:哀華 | [投票][編集] |
流れる言葉
無意識に耳を塞ぐ
死ぬほどに
拒絶が怖いから
言い訳がましく
下を向いたまま
近寄りたくて
その手のひらに
投げかけた
自分勝手な言い分
それにさえ
気づいた振り
ただそれだけの貴方
その答えは
名ばかりの示し故に
距離感
もう君から何歩
離れたろう
脱力感
心から望んでも
ちり紙の様に
捨てられてしまうと
分かっていたよ
どうしたなら
素直に上手く
話せるだろう
一体全体
どうしたならば?
詩人:哀華 | [投票][編集] |
朝から夜まで
一体何時間くらい
私は私を
消していればいいの
それは君次第
そう言って
その目は細くなり
私を蔑むんだろう
腐った星
下水の道
風は生温く
不快に満ちている
近づけば
付いてくる陰
いい加減
辞めにしましょう
おままごとなんか
君は一人
どこへでも
逝けばいいさ
詩人:哀華 | [投票][編集] |
問う
ひたすらに
自分勝手だと
呟く
貴方を
待っていたのにと
再び落ちたのは
安易に手に入る
憂鬱を紛らわす粉
分かっている
常に独りきりだと
とうに知っている
その存在は
手に入らぬと
寂しいんだ
本当に
最後はそれだけ
他には
何もない
何もない
詩人:哀華 | [投票][編集] |
まっさらな紙の上
猫の様に背を丸め
ぶちまけていた
絶対負の世界地図
方角は東西南北
などではなく
下のみだ
知っている。と
言ったけど
素早く覆す口
どちらが本物ですか?
耳の奥が
価値カチ価値カチと鳴る
入れ替わりの合図
この先
居場所は
一体どこに
あるんだろう
君は何を
思うんだろうか
私の言葉は
届くんだろうか