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哀華の部屋


[205] 憧れたもの
詩人:哀華 [投票][編集]

私の言葉は
君の頭の許容範囲を超えてしまって
狙い通りに
去っていく様な
素振りを見せてくれた

なんて純粋な子

離れなければさ
私の味わった
あの苦痛に満ちた
日常を
あの子にも
味合わせてしまうような
そんな気がしてさ

ごめんね
辛かったね

大丈夫
君は生きていけるよ

きっと
強さを装わなくてもいいほどに
素直だから。

もっと
もっと
拒絶して

初めから
なかったことに
してしまった方が
幾分か楽だよ

ごめんね
卑怯なやり方

最初から
去っていくつもりなら
君には近づかなかった方が
よかったのかな

やっぱりね
私は最低な
私のままで
居なきゃいけない

憧れたもの
空になること

憧れたもの
綺麗に死ぬこと

憧れたもの
幸せな自分

この手紙のような詩に
載せたら
君には半分くらい
伝わるかもね

ごめんね
卑怯な死に方

誰の記憶にも
鮮烈に残らぬように
したかった

ごめんね
ごめんね

2005/07/02 (Sat)

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