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哀華の部屋


[32] 忘却
詩人:哀華 [投票][編集]

今ここで忘却を

苦味を消して
涙さえ甘くして

露も落ち
星も瞬き始める
昔栄えた都の端
今は寂れて

大空の果て
見るものは
忘却の幕
それに隠れて
低くうなる青き星

欠落したのは
哀と愛

黒髪の吟遊者
胸にある思いは
海原より深く
光をみることはなく
目の玉は
とうの昔
森の奥深く
埋めてしまった

鳥は
友を呼ぶ
悲痛に満ちた
鳴き声で

響いた星影
また一つ
忘却の彼方へ
落ちたのさ

2004/06/16 (Wed)

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