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哀華の部屋


[5] 涙のたまる道
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涙のたまる道

無機質な地下鉄

気味の悪い明日へ
中指を立てて
笑った

こんなまま
少しでも歩けば
体はびしょ濡れて
涙の道は
ぐにゃぐにゃと
跳ね上がる

なんていうか
なんていうか
恐怖感と
無気力症候群に
襲われる
毎日の繰り返しで

やっぱりさ
君の体には
二本線が引かれてて

脅迫されたその体の
行き場所は
いったい何処?

泣きぬれた
君の線が悲しく
目の奥で消えた

立って
いられない程の
激痛に耐え

なんとか
立ち続ける足は

あの時確かに
震えてた

涙のたまる道
その上で
向かい合った時

私だけが気づいた
君の一番
弱そうな場所

2004/05/25 (Tue)

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