詩人:白茹たま | [投票][編集] |
雨に融けるように
消えていきたかったの
あなたが私を思って
突き放してくれたの
分かってたのに
私は勝手に傷ついたの
本当はあなたを忘れた日はないのに
"届かないから"って決めつけて
あなたを忘れたフリをした
私を好きだと愛してると
そう言ってくれた人
私はその手を取ったの
あなたの記憶を掻き消したくて
雨がアスファルトを叩いて
薬品のにおい 染み付いた
その真っ白なベッドには誰もいない
このまま雨に融けてしまえば
私はどれだけ楽かしら
私も恋人も そしてあなたも
幸せになれるわ きっと
薄れゆく意識
今、私は雨に融けるのね
薬品のにおい 染み付いた
その真っ白なベッドには誰もいない
騒ぎ立てる患者
走りまわる看護婦
雨に融ける私を
荒々しく抱きしめたのは
私が愛した あなた
"行くなよ"
溶けてしまいそうだった
そのまま
あなたに溶けてしまいたかった
このままでいたい
そうすればきっと私は
あなたに 雨に 溶けて消えられる
私に残された時間はもう短い
あなたの腕のなかで
融けるように消えさせて
だから
雨よどうか止まないで