ホーム > 詩人の部屋 > ヒギシの部屋 > 御手数ですが

ヒギシの部屋


[133] 御手数ですが
詩人:ヒギシ [投票][編集]

言いようのない感情を
どう唄えば良いか
分からずに
赤くなって山の向こう
遠くへ落ちる月を見た

心の中で
言葉にならない声達が
散々喚き散らして
叫んで叫んで
良心バッタの小さな声は
暫く聞こえそうにない

今日が背中をぐいぐい押して
明日が腕を引っ張って
昨日がこっちを眺めてる
彼らに身をゆだねて
時が駆け足で去ってくのを
震えて待った

猫の唸り声が響く暗闇
月ですら照らすのを諦め
星達はどこかへ行ってしまった
懐中電灯で照らしても
私はどこにも見えてこない


明日
太陽が
凍えた私を見つけ出し
氷を溶かしてくれますように

2004/05/26 (Wed)

前頁] [ヒギシの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -