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ヒギシの部屋


[211] 白線
詩人:ヒギシ [投票][編集]

うまいことサヨナラできない
笑顔で握手もできそうにない

どうにも自分と混ざれない

マーブルの空に飛行機が
真っ直ぐひいたあの白い線を
うっとりしながら目で追って
同時に心を分けていた

きたない過去と
きれいな未来と。
線の上の、今だろうか

眩しい世界に憧れて
光に寄れば影は濃くなって
輪郭線は飛行機雲より
くっきり世界を分けていた

もう少し もう少し
やわらかい世界が好きだった
薄いカーテンをひいておいて
ゆっくり後退ってみよう

どちらが正しいかは
知ったこっちゃないが
駄目ならもう一度
強い光を探して戻ってこよう

うまいこと自分と握手して
そのまま引き連れて来れたら
それはそれで
いいんじゃないか。

2006/08/30 (Wed)

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