詩人:獏 | [投票][編集] |
痛いと言っても
解って貰えなかったので
痛いという感覚を
ぶった切って
痛覚を麻痺させてしまった
苦しいと言っても
そんな事ぐらいで
とあしらわれてしまうので
苦しい時は
息を止める事にした
死にたいというと
誰にも迷惑をかけないように死ね
と言うので
考えても考えても
そんな方法は思いつかず
呆けて暮らす事にした
そんなこんなで
今の僕の日常は
ぼやけた絵の具のように
境界線がないのです
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夢から
覚めない
眠り姫
緑の衣
泉の飾り
苔の布団で
夢を見る
明日は来ない
永遠に
この地が枯れて
朽ち果てる
星の終わりの
その時まで
永い永い眠りに就いて
妖精達の夢を見る
明日は来ない
夢の中
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涙は
悲しみも流してくれる
泣いていいよ
いっぱい泣いていいよ
見返りなんか
求めてなかった
でも
彼の事を思って過ごした
報われなかった日々と
行き場のない
愛しさや優しさを
涙で
洗い流して
涙に
悲しみを詰めて
季節の変わり目の
せっかちな風に
流してしまってよ
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壊れたのか
アンテナも受信機も
ブラウン管よろしく
虹色に畳まれ
目に映る物
瞬時に消える
使い物にならなくなった
眼球のかわりに
水晶を
その義眼に映るのは
未来か過去か
ダイヤモンドなら
差詰め金塊や宝石
ガラス玉なら
丸く逆さまに
君が映る
逆さまの姿で
取り繕った表の顔の裏にある
毒づいて歪んだ君の顔
壊れたのはアンテナか
それなら替わりに
アクリル定規
届く電波は
上滑りする
挨拶と
知らない誰かの
歪曲したうわさ話
それとも受信機
替わりに螺旋
幾重にも巻かれ
百万個の導線で繋ぐ
届くのは
むやみに死にたがる
誰かの恨み言
錯覚を愛と呼ぶ
浮かれた裸体
生まれついた時から
こんな義眼を
瞼の下に仕込んであった
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水先案内人が ようこそ と
金色の瞳で挨拶をした
どちらに致しますか
右手をさして
こちらは懺悔の道
貴方の所行の一つ一つが
全て懺悔出来ます
左手をさして
こちらは忘却の道
親しい人も憎い人も
良い事も辛い事も
一歩進むたびに一つずつ忘れます
皆さん忘却の道を選ばれますが
懺悔の道は魂の浄化が出来ます
懺悔の道を選ばれますと
たどり着くのは花園です
忘却の道を選ばれますと
また俗世へ着きます
そこでややしばらく
考えた
どっちも似たような一本道
これは見せかけかもしれない
内容は全く逆だ
いつの間にか
水先案内人の姿は消えて
三叉路に佇む俺
結局もと来た道を
戻る事にした
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喧騒を抜け
肩越しに聞こえる声に耳を塞ぎ
差し出される手を振り切り
何処へ行くの
何処へ行くのさ
一人もたまにゃいい
所詮一人じゃ生きていけない
弱いモンだよ人なんて
一つ一つの存在なんて
本当の孤独は
何もない
生きてる感覚さえ奪う
意味を成さない
泣いても笑っても
伝える先が無いんだから
森の中
行き先も分からなくても
抜け出せる
明るい方に進のさ
向かっていくんだ
避けないで
耳につく
雑音にも
聞こえないふりしないで
聞こうよ
見よう
生きているから
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女って奴は
真実だか嘘だか
良く分からん涙流しやがる
あわてて慰めると
ころっと笑って「本当?」
涙でぐしょぐしょな顔で笑うんだぜ
全く理解不能だよ
さっきまでキーキー言って怒ってたくせにさぁ・・・
もう二度とその手にのるもんか
って涙でぐしょぐしょになった笑顔見るたびに思うのさ
こちとらそんなに現金に喜べないってーの
プライド捨てて機嫌取った
俺はどうすりゃいいってんだ?
もうどうにでもなれ
結局オマエには負けるんだ
降参だよ
だから早く涙拭けよ
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君が作ったアタシの居場所は
最初はちょっと窮屈だった
身動き出来ないけど
すっぽり身体が入るくらい
それでもあったかくて
居心地良かったから
狭くっても良かった
ある日君と喧嘩した
アタシの場所は何処までも
広くなった けど
探しても 探しても
君が見つからなかった
初めは自由になった手足を
バタバタ動かして
広さを確かめるのに夢中だったけど
やがて何処にも行き着かない
広すぎる空間で自分すら見失って・・・
君を捜した
君を捜したよ
やっと見つけた君は
小さく丸まって泣いてたよ
ここにいるよ
アタシずっとここにいるよ
傍にいるよって
何度も何度も話しかけて
やっと届いたあたしの声
それから君がアタシを
ずっと捕まえているけど
もう窮屈じゃないの
あったかいのに手足が伸びて
丁度いい大きさ
柔らかな空気
もう出て行かないからね
アタシずっと君の傍がイイ
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真っ暗な無に飲み込まれても
消えない物
心
思った事は流れていっても
感じた感情は
消えない
言い表せない程の
様々な感情
どこから生まれるのか
瞬きする瞬く間に
浮かんで浮かんで浮かんで
留まることなく
湧き上がる
この身体が消えたって
この世の中が消えたって
どこからか生まれてくる
何から生まれるのか
絶え間なく
嬉しい哀しい悔しい
愛する怒る泣く
降り注ぐのは
宇宙線じゃなく
名前さえ持たない
感情の波
真っ暗な無の世界から
湧き上がり
降り注ぎ
時を作った
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自虐の涙が
降る
降る
悪いのは私?僕?
気が付けば所々で
涙を流し蹲る人
かなえられない
願いに落胆
何が一番悪いかなんて
決めつけてる場合じゃない
世界は滅びに向かってる
確実に
じわじわと生きる場所を狭められ
生き物全て巻き込んで
人類
何してんだ
人間
何してんだ
人間同士で
傷つけあってる場合じゃない
星ごと潰れないと
わかんないのかい?
森林が
海が
小さな動物も
大きな動物も
悲鳴をあげてる
何処へ行けば
生き延びていける?
人間同士で
兵器なんか使って
殺し合ってる場合じゃないだろう
何してんだ?