詩人:獏 | [投票][編集] |
願望する。
届け と
彼の人に
彼らに
私の
息吹が
風に乗り
雲と流れ
満ちる事を
願う
喘ぐ声が
聞こえない
虫の音の
響く夜に
逞しく
膨らむ夢と
共に眠る夜を
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悔やんでいるのは
君が嫌いだからじゃない
好きだから
もっと好きになってしまったから
一度でいいと
思っていた
一度だけと
でも
君は言ったね
次は・・・と
嬉しくて
そして
悲しくて
目をそらしてしまった
嫌いだからじゃないんだ
もっと好きになってしまったから
恐かった
叶わない約束かもしれないと
叶えば
何かがまた始まる約束だと
君と話すのが
恐いんだ
何かが壊れていく気がする
僕が今まで作ってきた
僕自身が
壊れていきそうで
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掌を目の前にかざして見てごらん
指の間から世界が二重に見えるだろう?
掴めない景色
こんなにもあやふやな感覚で
僕らは歩いているんだ
手と足がバラバラに動いて
それそれ何かに触れている
意識は四方に飛び
情報はまとまらない
全てが必要?
全ていらない?
僕らは選んでいく
溢れるシグナルの中から
その時に一番はっきり見える物を
そして発信する
君に向けて
一つだけ選んだモノを
はじかれる可能性も分かっている
選ばれない空虚感
絶え間なく
行き交う
シグナル
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言葉なんてアテにならない
役に立たない
いつかなんて約束するなら
今ここで抱いてくれよ
一度で納得してやる
しばらく離ればなれだってさ
抱きしめるその手に
メッセージ
行くな
戻ってこい
抱き返す手に
メッセージ
さよなら
これで終わりさ本当は
肌で感じる本当の言葉
いつかなんて
やっぱり嘘だと
一度で分かる
慰めめいた嘘 口から飛び出したって
抱きしめたお前自身が
語っている
「さよなら」
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幻影の揺らめく視界
眩暈と無重力な予感
辺りに立ちこめる
乳白色の霧
迷い込んだ魂魄が
憎悪や悔恨を纏っている
ぼんやり灰色に浮かぶ
それらを避けながら霧の中を歩いている
不確かな予感は留まることなく
浮かんでは消え浮かんでは消え
確たるものになり得ない何か
それを追っているのかいないのか
疲労が全て感覚を麻痺させている
仄暗い魂魄の一つになって
果てのない乳色の闇に囚われている
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共鳴し出す
二つの弦
響き合う音が
重なり合って
一つの音になる
和音になったり
また同じ音になったり
柔らかに 高まり合い
時折響くアクセント
旋律は高揚し
膨らんで弾かれる
重なり合う音は
早く強く
完全な調和を求めて
互いにつま弾き続ける
フィナーレ
フィナーレ・・・
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毒
を食べました
手も頭も
溶けてきました
甘かったです
後味がほろ苦くて
舌が痺れてきました
襤褸屑のようになるのに
時間はかかりませんでした
毒
は身体に染み込んで
馴染んできました
溶けるのも
痺れるのも
当たり前になりました
怖くなくなって
ハイになって
踊って笑える
僕になりました
毒
になりたかった
僕
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金平糖が一つ
金平糖が二つ
ころろん ころろん
甘くて 尖った
結晶が
胸の奥まで転がり込む
痛くて甘くて
足の先までチリチリする
痺れて目が霞む
金平糖が三つ
金平糖が・・・
かららん ころろん
澄んだ音たて
落ちてくる
痛くて甘くて
心の中で溶けて
指の先まで
頭の隅まで
甘い甘い甘くてとろける
もうたくさんだよ
君の胸から
飛んでくる
嫉妬という名の
金平糖
甘くて痛くて
しかたないから
僕は嘘を重ねてく