僕はここにいるから僕 なのかな 違うよふらりと行きたい所に行くのも僕君の部屋にふらりと立ち寄って君の膝枕で眠るのも僕人気のない丘の上の広葉樹の根本でくつろぐのも海原に浮かぶ主の居ない漂流船に釣り糸を垂らすのもビル街の屋上で排気ガスにむせながら口笛を吹くのも人混みに紛れて何食わぬ顔で群れの中歩き回るのも 楽しいさすり抜けていくしっぽを捕まえられる事なんか無い細くなり長くなり自在に吹き荒れながら今日は君の膝に帰ろう
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