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クィルテットの部屋


[14] 優しき軍人の苦悩
詩人:クィルテット [投票][得票][編集]


僕には家族が居ます。

妻と長女と長男の四人暮らしです。

目の前のあの人も家族が居ます。

他にも僕の後ろの人もあの人の後ろの人も

周りの人間にはもちろん家族は居ます。

でも

もし僕が死んだら、僕の家族はどうなるのでしょう?

多分悲しむと思います。

それほど、人一人の存在とは無くてはならない物です。

しかし、僕は今目の前のあの人を殺そうとしています。

目の前のあの人も僕を殺そうとしています。

後ろの人達も、向こうの後ろの人達もお互い殺そうとしています。

そうでなくては、自分が殺されてしまうからです。

僕には家族が居ます。

妻と長女と長男の四人暮らしです。

目の前のあの人も家族が居ます。

他にも僕の後ろの人もあの人の後ろの人も

周りの人間にはもちろん家族は居ます。

でも

皆で殺し合わなくてはなりません。

何故ならここは戦場だから。

家で待ってる家族と

自分の祖国の為に

僕は銃を取る。

相手に家族が居る事を知りながら

僕は今日も殺す。

神様

僕はとても愚かですか?

家族が悲しむのを居るのに殺さなくてはならないのは

とても苦しい事です。

どうしても相手に慈悲を持ってしまう。

だから相手を殺す事が出来なくなってしまいました。

決して運命から逃げられない中で

僕はどうしたら良いのでしょうか?

2007/05/01 (Tue)

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