詩人:緋雨 | [投票][編集] |
私に残ったのは
あなたを失った痛みと
最期に抱き締めた時の空っぽな気持ちだけ
巡り巡る記憶の果て
悲しみに全て食い尽くされて
躰は抑えがたい激情に踊らされる
こんな風に痛々しい形でしかあなたとの思い出を残せないなら
いっそ忘れてしまいたい
あなたとのことを、全部
頬に伝った血の涙ごと
何もかも葬れたらいい
あなたが沈んだ暗い暗い土の底へ
私の全てが融けてしまえばいい
儚く散ってなお
あなたは私の殆どを埋め尽くす
いつまで
いつまで
私はあなたへの想いで踊り狂うのか
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それは甘くて優しい言葉
そしてなにより怖い言葉
今までの穏和な関係を一気に突き崩す言葉
心の奥の奥までさらけ出して
きっと沢山傷付くだろう
きっと沢山泣くだろう
だから言って欲しくなくて
だけど
その言葉はとても魅力的で心地いいから
やっぱり言って欲しくて
言わないで・言って・言わないで・言って
矛盾した気持ちでぐちゃぐちゃな私の真正面
あなたはその言葉を言ってしまったの
終わっちゃった
今までの生ぬるい関係が。
頷いても断っても
あなたと私はきっともう、もとのままじゃいられない
私は笑うべき?
泣くべき?
なんて言ったらいい?
踏み出す一歩が、なにより怖い
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変わりたくない
変わりたくない
変わって何かを失うことが怖い
変わって何かを背負わなくてはいけないことが怖い
だけど不変のモノなんてないのが現実
変わることで何かを得られるのも真実
それを嫌ってくらい理解している私がいるのも確か
過ぎ去る時間を止めることなど神様だって出来ない
分かってるよ
分かってるよ
手に入らないって分かってるから余計に欲しくなるんだ
時間を凍らせる力が
私にあったらよかったのに。
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私が歌うとあなたが笑った
私の歌が好きだと笑って言った
私は自分が笑うより
あなたが笑ってくれた方がずっとずっと幸せなの
だから今日も歌おう
あなたの隣で静かに口ずさむ
ささやかな恋のメロディー
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あなたの羽根は幸せを運ぶけど
じゃあ
その羽根を全身に纏うあなたは幸せ?
わたしはあなたじゃないから
あなたが幸せかどうか分からない
あなたが言ってくれない限り分からない
あなたが誰にも言わない本当の気持ち
わたしだけにはそっと教えて欲しい
辛いことは吐き出して
嬉しいことは話して聞かせて
わたしがあなたの拠り所になれたらと
何度も何度も思った
あなたが唯一恐れた白い鳥籠は錆び付き朽ち果て
あなたを縛るモノはもう何もない
わたしが疎ましくなったら
わたしの手が届かない空の彼方に飛んでいけばいい
だから
わたしだけには、教えて
使い捨ての話し相手でもいいから
誰も知らないあなたの本音を聞かせて
一時でも幸せの青い鳥の『幸せ』になれたのなら
それだけで わたしは
もう。。
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春は咲いて
夏は燃えて
秋は舞って
冬は隠して
花は散って
鳥は死んで
風は凪いで
月は満ちて
夜は爆ぜて
雪は包んで
唄は裂けて
日は堕ちて
神は嗤って
私は這って
疵を孕んで
涙が伝った
あなたは何一つ変わらないけれど
どんな些細な変化も見逃してはいけない
さもなくば、その瞬間が永遠の別れとなる
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叩き付けられた願いは
砕け散る瞬間何を思うのか
バラバラになってしまった以上
わたしが知る事は出来ないけれど
きっと幾千の瞳が空を憎んだのだろう
カミサマは時に残酷
絶望に絶望をかけて人を試そうとする
それに負けなかった人だけが
最期に笑う資格を持ってるの
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空っぽの鳥籠
自由になったんだって呟くわたしの足下に
もう動けないあなたは転がってる
視線は落とさない
そしたら見下すことに繋がりそうで怖いから
空は青くて蒼くて碧くて
ツライ事なんて忘れさせてくれそう
現に真実は忘却の彼方
信じたいよ、あなたが自由になったんだって
わたしの呪縛から解き放たれたんだって
最期までごめんねって言えなくて、ごめんね
幸せをくれて、ありがとう
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脆い翼
此の手で折って
あなたを地に堕としてあげる
歪んだ愛なら刻みつけて
間違った想いなら押しつけて
ずっとずっと一緒にいるから
いつ、飛び立てる?
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どうか舞い降りて
あなたの羽根を一枚ちょうだい
何もない真っ白な部屋で
真っ白な服を着て待ってるから
あなたの色で鮮やかに彩って欲しい
手に触れた途端消えて無くなる羽根は願いの代名詞
眼に見えるのに手に入れることは叶わない
儚いモノ
どうか舞い降りて
あなたの羽根を一枚ちょうだい
触れても消えない確かな幸せが欲しい
透かせば何処までも青い空
不透明な未来すら、見通せそうな気がするから
あなたの羽根を一枚ちょうだい