詩人:緋雨 | [投票][編集] |
夢の終わりはいつでも現実に繋がっている
だったら現実の先に夢が繋がっていてもおかしくないよね?
ぐるりと一回りして
もう一度不思議の国へ連れて行ってよ、白うさぎさん
何もかも輝いて見えた頃のあたし
空は青く
雲は白く
愛は美しく
あたしは物語のお姫様のよう
怖いくらいに混じり気のなかった
あのあたしに帰りたい
「それじゃぁいつまで経っても前に進めないよ」
なんて言わないで
現実も
真実も
受け止めてる
こんなあたしじゃ今更帰りようがないけど
叶わないからこそ強く願うの
思いっきり両手を広げて
今だけは叫ばせて!
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あなたは青い鳥
わたしに幸せを運んでくれる
御伽話の青い鳥
でもあなたは優しいから
誰にでも幸せを分け与えてしまう
わたしだけを見て
わたしだけに幸せをちょうだい
あなたを鳥籠に閉じ込めてしまえればいいのに
それすら躊躇われるくらい、あなたは自由で
青い羽根まき散らして
必死にそれを掴もうとするわたし
空に向かって右手を差し出すから
どうかわたしにとまって
あなたは青い鳥
捕まえようとしても捕まらない
不意に現れて落としていく空色の羽根だけを頼りに
わたしはあなたを探すの
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綺麗なモノ
穢れたモノ
様々なモノで溢れかえるこの世界の中
もしも愛を見つけられたら
それは私にとって何よりも美しく
何よりも価値があるものになるだろう
機械仕掛けの私の心が
知るはずの無かった感情に突き動かされて
定めを破る日は、いつ来るのか
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美容院に行くだけだからって
適当な服で出かけた日
道の向こうから歩いてくるあなたを見つけた
三年ぶり?
ううん、四年ぶりだよね?
もっと可愛い格好してくればよかったとか
今のわたし、髪ボサボサじゃんとか考えてて
気づいたら下向いちゃってた
すれ違う瞬間
あなたはちらっとわたしの方を見てくれたよね
わたしの事、覚えててくれた?
それともただの変な女だって思った?
どっちか分かんないけど
話しかけられなくて残念だったけど
でもたった一瞬でも重なった視線がすごくすごく嬉しかったよ
美容院で待ってる間
興奮しながら友達に送ったメールは今でもとってある
また会えたら、今度こそ話しかけたいな
ずっとずっと好きだったんだよっていつか言いたいな
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午後六時
いかにも部活してきましたって感じの学生達が改札を抜けていく
携帯でメールしてるフリしながら
そっとそっと視線を巡らせて
探してるのは、来るかどうかすらわからない人
電車がホームにすべり込む度に
沢山の人が群れを成してわたしの前をすり抜けていく
一時間経って
結局探してる人は見つからなくて
そろそろキヨスクのおばさんの視線が痛いし帰ろうかな
ずっとずっと前の
初恋の彼はどうしてるのかなって気になって
わざわざ貴方の最寄り駅まで来たんだよ?
偶然を装って会えたらいいなって
ほんの少し期待してたんだ
貴方は見つけられなかったけど
だけどいまでも時々この駅に来ちゃうんだ
貴方の家も知らない
電話番号も知らない
行ってる高校すら知らない
知ってるのは最寄り駅だけ
だからあきらめたハズなのに来てしまう
貴方に会ったらなんて話しかけようとか
結局言えずじまいだった事をどう言おうかとか
淡い希望たぐり寄せてる
しつこいかもだけど・・そのくらい、貴方が好き
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他人の考えてる事なんかわかんないよ
だって自分が考えてる事すらよくわからないんだもの
だから傷つけ合っちゃうんだね
私の願いとか本心が素直に現れた昨晩の夢は
思い出す前に朝霧に溶けて姿を消した
やっぱり私は私がわからない
私はどうしたい?
私はどうしたい?
人間って大変だね
便利なはずの精巧な心がかえって私達を傷つける
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貴方が好きだから
ずっと一緒に居たい
貴方が大好きだから
この世で一番幸せにしてあげたい
貴方が誰より愛しいから
貴方を傷つけるもの全てを壊したい
貴方は私を壊す人
一人で生きていこうと決めたはずの私の心を揺さぶる人
たとえ私が何もかもを無くしてしまっても
貴方を守れるのなら厭わない
貴方は私が持っていないものをくれたから
私は私の全部を貴方にあげたい
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大事に大事に
大事に大事に
穢れも知らずに生きてきた
綺麗すぎる嘘の世界に守られて
汚い現実を知らずに生きてきた
あたしは半分大人になって今まで知らなかった色々な事を知った
汚い事、不思議な事、難しい事・・
その度にもう半分の子供のあたしが死んでいく
だけど
子供のあたしはまだしぶとく生きていて泣き叫ぶの
汚い汚い、と
綺麗な世界の裏側を知った今
あたしはどうやって生きていったらいい?
知らないフリをして綺麗に生きる?
周囲同様黒く染まって闇に堕ちる?
どっちにしろ辛いだけ
何かに嘘を吐いたまま生きることには変わりない
だったらあの時
綺麗すぎる世界が音をたてて崩れ逝く時に
一緒に崩れていなくなってしまいたかった
だけど後には戻れないから
あたしは前に進んでいくしかない
子供のあたしの口を無理矢理押さえつけながら
その目を塞ぎながら
そうやって、あたしは生きてくんだ