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緋雨の部屋


[1] 適応能力
詩人:緋雨 [投票][得票][編集]

大事に大事に

大事に大事に

穢れも知らずに生きてきた

綺麗すぎる嘘の世界に守られて

汚い現実を知らずに生きてきた

あたしは半分大人になって今まで知らなかった色々な事を知った

汚い事、不思議な事、難しい事・・

その度にもう半分の子供のあたしが死んでいく

だけど

子供のあたしはまだしぶとく生きていて泣き叫ぶの

汚い汚い、と



綺麗な世界の裏側を知った今
あたしはどうやって生きていったらいい?

知らないフリをして綺麗に生きる?
周囲同様黒く染まって闇に堕ちる?

どっちにしろ辛いだけ

何かに嘘を吐いたまま生きることには変わりない

だったらあの時

綺麗すぎる世界が音をたてて崩れ逝く時に






一緒に崩れていなくなってしまいたかった









だけど後には戻れないから

あたしは前に進んでいくしかない

子供のあたしの口を無理矢理押さえつけながら

その目を塞ぎながら




そうやって、あたしは生きてくんだ

2005/08/01 (Mon)

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