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亀の部屋


[1] 価値
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いつからこれは始まったのか
千円札一枚で釣りがくるパーティー
どこもかしこもアナーキーのかたまりだ
暴動なんて珍しくない
警官との衝突は趣味みたいなものだ
ステージの主役はいつも通りの浮浪者
髭を生やし、路上の哀愁を一身に背負ったイル・スナフキン
奴はブルースを歌っている
古き良き時代を懐かしむ歌声
穴のあいたアコースティックギター
詩とさえ呼べる歌詞が無意味に垂れ流されてる

どうでもいいものを両手いっぱいに溢れさせて、大切なものは捨ててしまった
時代の流れの速さに置いていかれることに脅え、いつの間にか靴が脱げていたことにも気付かなかった
だから懸命に駆け抜けてるはずの心が、どこか痛い気持ちが離れないのさ
このやり方を見つめ直す時代が来たんだ
今こそ動けピープル
ブルジョワジーを打ち倒せ
契約社会をぶち壊せ
プロレタリアートなアートの勢いに乗れよ

一流のドランキン・マン
イグナシオ・アレサンドロシスのバンジョーは最高だった
生涯に一度あるか無いかのクソみたいなパーティーで、イグナシオはただ一人輝いてた
伝えたいことはなにもないただメロディの激しさに身悶えた伝説の夜
安いものにも価値があった昔は、その時だけ今に変わった

千円札一枚で釣りがくるパーティー
ここに価値を見い出せるなんてな

2005/12/11 (Sun)

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