詩人:夕凪 | [投票][編集] |
やりきれない思いに
心を痛めながら
それでも また
歩き出せると
信じていた ‥
夜明けの訪れに
寂しさを感じながら
それぞれの朝に
手を振りながら
別れた ‥
ここにいる
今の自分は
とても小さな
存在でしか
ないけれど ‥
この両手を精一杯
伸ばしても届かない
ものがある事を
あの時 君は
教えてくれた
強気な瞳で
陽の光が射す様に
かけがえのない今に
一筋でも
見えたとしたら
堪えていた涙を拭って
自分の弱さも受け止め
行こう ─‥
茜色に染まる
空を見つめながら
泣きたい程の
熱い想いを
感じていた ‥
震える唇を
痛い位噛み締めながら
凍てついた風に
負けない様に
顔を上げた ‥
ここにいる
今の自分を
きっといつかは
越えてゆける
はずだから ‥
この両手に精一杯
集めてもこぼれ落ちて
しまうけれど
つまづく度に
差し伸べられた
手の温もりは今も ‥
陽の光が射す方へ
歩いてゆくんだ
そう 君を
見失わない様に
堪えていた涙が
いつか 渇いた空を
潤す様に ─‥
この両手を精一杯
伸ばしたら触れられる
ものがある事を
あの時 君は
教えてくれた
優しい瞳で
陽の光が射す様に
かけがえのない今を
生きてゆけるのだと
したら
堪えていた涙はきっと
痛い程の喜びに変わって
溢れ出す ─‥。
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私の中の神に
私は跪き
額を下げる ─‥
全てに許しを
与えたまえ
全ての光と闇を
合わせたまえ ─‥
やがて
音もなく涙
剥がれ落ち
私の両手は
大空を仰ぎ
私の両足は
大地を踏み締め
再び産声を上げ
歩み始める ─‥
私の中の神よ ─‥
私はあなたに
その導きに
全てを委ね
この身を捧ぐ ─‥。
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私の空に
虹のリングが
綺麗に架かり
やがて
その七色に
向かって
舞い上がる ─‥
私の空に
二連のリングが
生まれた
ゆっくりと
確かな力で
導かれていく ─‥
そこから
手を振る
あなたの
元へと ─‥。
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欲張らず
でも決して
欠かすことなく
丁寧に
傍らに咲く
素朴な花に
毎日水を
与えよう
沢山なんて
意気込まず
きちんと
届く範囲で
与えよう
無理なく
大袈裟に
なりすぎず
でもしっかり
愛を
伝えよう ─‥。
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大声で笑った
お腹を抱えて
笑った ‥
いつ以来だろう
とにかく
笑っていた ‥
涙が出た
ポロポロ
こぼれた ‥
可笑しくて
泣いたんじゃない
心から笑えた事が
嬉しくて
泣いていた ‥
心の中の
冷たい大きな鉛が
溶け出して
代わりに
温かい粘膜が
膨らんで
ジンワリ
張り付いた ‥
いつ以来だろう
大声で笑った
笑顔が綺麗だと
思い出した ‥
私が私を
抱き締めて
言ったよ
「おかえり 」
「ありがとう ─‥」
凛と顔を上げた
視線の先にある
いつか見た光が
新しい鮮度を放ち
強く優しく
確かに映る ‥
私は もう一度
私を連れて
あの光に
向かって
歩いて行く ─‥
明日も大声で
笑える様に ─‥。