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夕凪の部屋  〜 新着順表示 〜


[114] 貨物列車と流れ星
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 夜が更けて
 灯りは落ち
 町も木々も風も
 眠る
 深い深い
 静けさの中


 あの暗い
 貨物列車だけが
 朝へと
 忙しく
 走り抜ける ─‥






 ほんの一時
 やがて音も
 遠ざかり
 再び訪れる
 静けさの間際


 遥か遠く
 見上げた空
 星が一つ
 きらり流れて
 消えた ─‥。








2012/01/16 (Mon)

[113] 砂漠の上を歩くよな錯覚
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 もうあの夕日は
 乾いて
 ぱりぱりわれて
 落ちるだろう




 蛇口のあたまが
 なくなって
 雨乞いしても
 へんじもないや






 いやに
 なっちゃうな


 こんな
 あおい星なんて






 この目にあるのは
 風化したよな
 人々の かげ
 生き物の こえ


 切り売りされた
 ギザギザもよう






 これって
 いったい

 なんなのさ ─‥




 ほんといやに
 なっちゃうな








2012/01/15 (Sun)

[112] 無関係な関係性の中に生きて
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 たとえなにも
 しなくても


 たとえどこへも
 いかなくても


 まわりは
 ぐるぐるまわり


 まわりは
 ぜんごさゆうする






 たとえなにも
 しなくても

 わたしは
 しらずしらず
 うごかされ


 たとえどこへも
 いかなくても

 わたしの
 いばしょは
 かってにかわる






 ひとところには
 とどまれない


 いきているとは
 たぶん

 そういうこと
 なんだろう








2012/01/15 (Sun)

[111] 夜明け前
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 健康な身体と
 自由な心




 それさえあれば


 何処へだって
 行けるだろう ?






 がんじがらめを
 振り解いて


 迷う前に
 走り出せ ─‥。








2012/01/10 (Tue)

[110] いろ
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 百色ほどもある
 色を差し出され

 好きな色を
 選べと言われる




 これだけの種類が
 あるのだから

 必ず一つは
 あるだろう、と。






 選べません、と
 答えると

 驚きと怒りで
 何故だと聞かれる






 単色では
 ないのです

 いくつも重ねて
 見付かるのです




 一番好きな
 一色が ─‥。








2012/01/09 (Mon)

[109] マングローブに抱かれて
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 マングローブの
 根っこに座り
 水平線に
 ピースした

 真夏の避暑地
 見付けた日 ‥






 見上げれば
 私の空を覆う
 緑の葉

 静かに凪く
 水面に
 木漏れ日を
 幾つも落とし
 煌めく ‥






 マングローブに
 抱かれて
 生命の音を
 聴いていた ‥






 そよぐ風の音
 ひんやりと
 焼けた素肌に
 心地よく

 長い眠りを
 誘う様に

 いつまでも
 どこまでも
 優しく
 揺れていた ─‥






 マングローブに
 抱かれた日

 夏の記憶
 淡く遠い記憶 ─‥。








2012/01/08 (Sun)

[108] パレット
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 綺麗な色を
 塗りすぎた
 パレットに
 鈍い光の
 差し色じゃ
 ぼやけた
 曖昧な希望の図


 主役になれない
 暗色を
 混ぜ合わせて
 汚したパレット
 僅かな
 光の差し色は
 馴染まない
 バランスで
 一際綺麗に
 映り込んだ ─‥。








2012/01/07 (Sat)

[107] 赤い闇
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 肌を撫でる
 恐怖の足音


 闇の隙間から
 斬り付ける ─‥






 瞬きもせず
 赤い眼を凝らし

 怯え立つ






 胸を裂いて
 差し出せと


 こればかりは
 差し出せぬと




 赤い涙を
 流すばかり ─‥






 やがて赤は

 闇をも染めた ─‥












 闇の終わり
 訪れる頃




 何事もなく
 陽は昇り




 この世は
 美しき世界と


 無情なまでに

 謳うばかり ─‥。








2012/01/05 (Thu)

[106] 臆病な勇者
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 痛みを
 知らずして


 痛みの何を
 語れるだろう ─‥






 人の愛に
 触れまいとして


 愛に何を
 求めるのだろう ─‥








 怖れる事を
 怖れないで


 失う前に
 失くさないで ─‥








 きっと
 誰しも臆病で

 誰しも勇敢だ ─‥。








2012/01/03 (Tue)

[105] いつか
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 頑なに
 握り締めた
 手のひら


 指の隙間から
 滲み伝う
 独りよがりな
 後悔の雫




 誰に許しを
 請うというの ‥


 もうずっと
 許されていた ‥






 この道は
 いつか
 歩いた道


 この空は
 いつか
 仰いだ空


 あの場所は
 いつか
 約束した場所 ─‥






 いつか ‥

 優しい響きで
 すぐ傍に
 今もある ─‥






 この今は
 いつか居た
 いつかを連れて ‥


 この今は
 いつか振り返る
 いつかになる ‥






 開いた
 手のひらを
 空に翳したら


 朝陽の
 柔らかな熱が
 雫を溶かして

 新しい輝きを
 今 拡げた ─‥。








2012/01/03 (Tue)
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