詩人:夕凪 | [投票][得票][編集] |
大声で笑った
お腹を抱えて
笑った ‥
いつ以来だろう
とにかく
笑っていた ‥
涙が出た
ポロポロ
こぼれた ‥
可笑しくて
泣いたんじゃない
心から笑えた事が
嬉しくて
泣いていた ‥
心の中の
冷たい大きな鉛が
溶け出して
代わりに
温かい粘膜が
膨らんで
ジンワリ
張り付いた ‥
いつ以来だろう
大声で笑った
笑顔が綺麗だと
思い出した ‥
私が私を
抱き締めて
言ったよ
「おかえり 」
「ありがとう ─‥」
凛と顔を上げた
視線の先にある
いつか見た光が
新しい鮮度を放ち
強く優しく
確かに映る ‥
私は もう一度
私を連れて
あの光に
向かって
歩いて行く ─‥
明日も大声で
笑える様に ─‥。