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夕凪の部屋


[1] いつか見た光に向かって ─‥
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 大声で笑った
 お腹を抱えて
 笑った ‥


 いつ以来だろう
 とにかく
 笑っていた ‥






 涙が出た
 ポロポロ
 こぼれた ‥




 可笑しくて
 泣いたんじゃない


 心から笑えた事が
 嬉しくて
 泣いていた ‥






 心の中の
 冷たい大きな鉛が
 溶け出して


 代わりに
 温かい粘膜が
 膨らんで


 ジンワリ
 張り付いた ‥






 いつ以来だろう
 大声で笑った


 笑顔が綺麗だと
 思い出した ‥






 私が私を
 抱き締めて
 言ったよ




 「おかえり 」

 「ありがとう ─‥」






 凛と顔を上げた


 視線の先にある
 いつか見た光が


 新しい鮮度を放ち
 強く優しく
 確かに映る ‥






 私は もう一度
 私を連れて


 あの光に
 向かって
 歩いて行く ─‥






 明日も大声で
 笑える様に ─‥。








2011/10/08 (Sat)

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