あの日 横一列に並んで スタートの合図で 駆け出した ─‥ 蹴り上げる 砂の音 むせ返す風 秋の匂い ─‥ ゴールを 思い描いた 訳じゃない そんなもの なくて良かった ─‥ あの日 終わることを 知っていたから 息が切れるほど 走りたかった 振り返らず ただ 夕陽色の 始まりを探して ─‥。
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