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夕凪の部屋


[176] 旅の空
詩人:夕凪 [投票][得票][編集]




 あの日の
 お侍様は


 知っていたの
 でしょうか ─‥






 檜の僅かな
 香だけを残し


 何を言葉に
 するでもなく


 ただ静かに

 過ぎ去って
 行った ─‥








 この旅の空は

 晴れ渡る
 ことでしょう ─‥








 頬を伝うもの ‥


 これは涙では
 ありません ‥






 あの日

 夕日の向こうへと
 消えて行った


 あなたの背中が
 反射させた




 その眩しさが
 露となり

 届いたのです ─‥








 お侍様 ‥

 届くでしょうか ─‥








 私の空が
 晴れ渡る日


 あなたの空も
 晴れ渡り






 長い旅路の中


 変わらず
 健やかで

 あります様にと ─‥。








2012/02/29 (Wed)

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