詩人:夕凪 | [投票][得票][編集] |
あの日の
お侍様は
知っていたの
でしょうか ─‥
檜の僅かな
香だけを残し
何を言葉に
するでもなく
ただ静かに
過ぎ去って
行った ─‥
この旅の空は
晴れ渡る
ことでしょう ─‥
頬を伝うもの ‥
これは涙では
ありません ‥
あの日
夕日の向こうへと
消えて行った
あなたの背中が
反射させた
その眩しさが
露となり
届いたのです ─‥
お侍様 ‥
届くでしょうか ─‥
私の空が
晴れ渡る日
あなたの空も
晴れ渡り
長い旅路の中
変わらず
健やかで
あります様にと ─‥。