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夕凪の部屋


[64] 一輪の優しさ
詩人:夕凪 [投票][得票][編集]




 道端に寂しく転がる
 空き缶を

 拾い上げたら少し
 優しくなれた ‥






 いつもうまく
 伝えきれない

 感謝だとか
 後悔だとかを

 空き缶みたいに
 捨てようとしたって




 結局 誰かが
 そっと拾い上げて

 行くべき場所へ
 運んでしまうから ‥




 泣かずには
 いられないんだ ‥

 進まずには
 いられないんだ ‥






 宙ぶらりんの心が
 降り立つその日

 僅かばかりでも
 今より優しく
 あれたらいい ‥






 道端に落ちてた
 空き缶を

 綺麗に洗って
 水を注ぐ ‥




 そこに花を一輪
 挿して

 優しい響きの
 名前を付けた ─‥。








2011/12/04 (Sun)

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