クラクションが 飛び交う 忙しい交差点 譲り合いなんて 存在しない 身勝手な 自己顕示欲 そう 思っていたけど ‥ 救急車のサイレンが 聞こえた時 全ての車が 躊躇なく 道を開けるのを 目にした ‥ さっきまで 鳴り響いていた 身勝手さなど 嘘のように 右へ 左へ 譲り合い 一つの命の為に 心を繋ぐ ‥ 私達人間も まだまだ 捨てたもんじゃない ‥ 走り抜ける救急車を 見届けながら 胸の奥に 熱いものが 込み上げるのを 感じていた ─‥。
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