詩人:夕凪 | [投票][得票][編集] |
やりきれない思いに
心を痛めながら
それでも また
歩き出せると
信じていた ‥
夜明けの訪れに
寂しさを感じながら
それぞれの朝に
手を振りながら
別れた ‥
ここにいる
今の自分は
とても小さな
存在でしか
ないけれど ‥
この両手を精一杯
伸ばしても届かない
ものがある事を
あの時 君は
教えてくれた
強気な瞳で
陽の光が射す様に
かけがえのない今に
一筋でも
見えたとしたら
堪えていた涙を拭って
自分の弱さも受け止め
行こう ─‥
茜色に染まる
空を見つめながら
泣きたい程の
熱い想いを
感じていた ‥
震える唇を
痛い位噛み締めながら
凍てついた風に
負けない様に
顔を上げた ‥
ここにいる
今の自分を
きっといつかは
越えてゆける
はずだから ‥
この両手に精一杯
集めてもこぼれ落ちて
しまうけれど
つまづく度に
差し伸べられた
手の温もりは今も ‥
陽の光が射す方へ
歩いてゆくんだ
そう 君を
見失わない様に
堪えていた涙が
いつか 渇いた空を
潤す様に ─‥
この両手を精一杯
伸ばしたら触れられる
ものがある事を
あの時 君は
教えてくれた
優しい瞳で
陽の光が射す様に
かけがえのない今を
生きてゆけるのだと
したら
堪えていた涙はきっと
痛い程の喜びに変わって
溢れ出す ─‥。